アナウンサーコラム

アナウンサーコラム第10回 片山真人アナウンサー

2018年7月5日

100回目の静岡の夏が、目の前に迫ってきました。
記念すべきこの大会でどんな熱い戦いが繰り広げられるのか。
毎年甲子園に足を運ぶ大の高校野球ファンとして、
そして元静岡の高校球児のひとりとして、
日々胸の高まりが強くなっています。

そんな私も過去に2度、86回と87回の静岡大会に出場しました。
強い日差しが球児を照らした草薙球場、
観客の拍手があたたかかった開会式、
今なおあの光景と興奮は、鮮明に身体に刻まれています。
もともと吉原高校(富士市)には野球部がなく、
立ち上げた野球同好会は1年生のみの9人、素人集団でした。
既存の運動部に迷惑がかからないよう、
練習はグラウンドの片隅やピロティと呼ばれる下がコンクリートのスペースで行う毎日。
環境は厳しくても、泥まみれになり白球を追う、
高校野球ができる悦びを全身で感じていました。
翌年には1年生18人が加わり、高野連へ加盟。
初出場の静岡大会は1回戦・島田高校に0‐17、5回コールドで敗れましたが、
とてもすがすがしく、野球部としても大きな一歩を踏み出した瞬間でした。

2005年7月 吉原高校 片山 最後の打席

あれから14年。
吉原高校野球部は今年初めてシード校になりました。
弱小だった野球部のOBとして大変誇りに思いますし、
後輩たちや関わってくださったすべての皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。
ただ、深刻な問題も見えてきました。
吉原の部員数は3学年あわせても26人、シード校では最少です。
今年の1年生に限っては選手3人、マネ2人の5人です。
人口減少は静岡県の大きな課題ですが、それは野球界も同じです。
実際、14年前には参加校は117でしたが、今年は111。
今後も学校の統廃合などが進み、出場校は間違いなく減っていくでしょう。
この状況にプロ野球界も感じていて、
近年は野球人口の減少に歯止めをかけようと、
プロ野球(NPB)が主体となって野球教室を開催したり、
やわらかいキャッチボール用のボールを小学校に配ったりと、
草の根的な活動を年々拡大しています。

今年100回を迎える高校野球。
同時に考えなければいけないのが、101回、150回、200回へ、どう続けていくかです。
私たちにできることは非常に微力ですが、
先輩たちが愛し、築き上げてきた高校野球の伝統を、魅力を、
放送を通して伝えていくことしかありません。
わずか2年数ヶ月しかプレーできない高校野球には、
球児の汗や涙、友情、両親への想い、儚さなど、
計り知れない感動の物語が詰まっています。
今年も彼らの雄姿をしっかりと目に焼きつけ、その熱き魂を、全力で伝えていきます。

次は森さんです!

>「第11回 森アナウンサー」へ

アナウンサーコラムトップへ