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村田智啓アナウンサー

高校野球アナウンサーコラム

2016年7月5日(火)

高校野球リレーブログ 「約束の行進 ~野球の神様からのプレゼント~」

 

「この夏の目標は、何ですか?」

大会を前に、選手たちに必ず聞く質問だ。

「甲子園出場」「初戦突破したい」
選手たちの、熱い想いが交錯する。

去年、こんな選手に出会った。

「仲間との約束を果たすことです」

その青年を知ったのは、ある新聞記事。
【仲間のために勝利を】
チーム紹介には、そんな見出しがあった。

開会式の中継を担当していた私は、監督に電話。
すると、チームの思いを話してくれた。

青年は、がんだった。

発覚したのは、高校1年の時。
肺への転移も見られ、治療のために入退院の日々。

最後の夏の開会式に出られるかどうかも、わからない。
しかし、応援してくれる仲間のために、大好きな野球のために。
負けるわけにはいかなかった。

そんなチームメイトも、青年の復活を信じていた。
「開会式で一緒に行進する。彼との約束です」
用意した背番号“20”が、「待っている」というメッセージだった。

開会式当日。
草薙は、真っ黒く日焼けし、鍛え上げられた球児の熱気で溢れていた。

そんな中に“背番号20”を見つけた。
強い日差しの中、細く白い腕が、闘病の壮絶さを物語る。

体調は、大丈夫ですか?
「はい!大丈夫です!」
背筋を伸ばし、爽やかな表情で答えてくれた。

「野球のことを考えると、病気も忘れられるんです」

草薙球場のバックスタンドに、青年の父の姿があった。
誇らしげに、少し心配そうに、息子の入場を待っていた。

「噛み締めながら、堂々と歩いてほしい。野球の神様からのプレゼントですから」

始まった入場行進。

青年は、笑顔だった。
仲間も、笑顔だった。
それを見守った父は、涙だった。

約束の入場行進は、乱れることなく、あっという間に通り過ぎていった。

開会式だけでなく、青年はベンチにも入った。
病気の自分を支えてくれた仲間を、恩返しの気持ちで精一杯応援した。

試合に出る選手も、そうでない選手も、野球にかける思いは一緒。
夏は、誰にでも、輝くチャンスを与えてくれる。

しかし、どんな状況であれ、試合に出られないのは嫌なもの。
青年にとって、ちょっぴり悔しい夏だった。

青年は今、病状が安定し、新たな人生を歩んでいる。

大学に進学し、サークルにも入った。
大好きなことをしたい。迷わなかった。

 

落語研究会。

 

青年の人生は、笑顔で溢れている。

今年も心を熱くしてくれる選手と出会いたい。
ね、堺さん。



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